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大学院生の方々への教育:キャリアの最初に世界のフロントライン、トップに触れましょう

昨年12月1日に、大学院生2名を今年4月からお迎えすることになったことを書きました。早いもので、彼らもそうした新しい生活を始めて4ヶ月近くを過ごしたことになります。その2名の方々の活躍は、私たちの講座のポストパンデミック時代を象徴してくれるものです。

 

私が日本には常勤しませんので、彼らが京都にいる間は、京都大学医学研究科内にあって私たちと共同研究をしてくださっている講座でお預かりいただき頑張ってもらっています。ここで基本的な技術を学んだり、国際的共同研究のあり方をまずは京都の視点からアメリカに向けて体験してもらうようにしています。4年間という期間の中で、京都にいる時、ジョンズホプキンス大学にいる時を、学内規定のなかでバランスよくとってもらい、最終的に1つのまとまった仕事を仕上げてもらえるように、その学究プランは大学院生の方々との相互対話を通して作っていっています。

 

今日のセントラルメッセージは、大学院の最初、すなわちプロフェッショナルキャリアの最初において何が最も大事か? ということです。私は「最初に世界トップのスタンダードに触れること」だと思っています。私自身は「カメ」なので、人生のキャリア、学びの過程では常に遅れがちであり、苦労することが多かったです。しかしそんな時でもいつも希望を失わずなんとかやっておりますのは、「ゴール」なり「あるべきスタンダード」が明確に心の中にあるので、のろい歩みをとめずにいつでもコツコツと前に進めているからです。じゃ、そうした「あるべきスタンダード」「ゴール」はどうやって明確になったか?私の医学キャリアでは、医学生の時に医学最高の賞であるラスカー賞を最終的にとられた方の臓器移植プログラム、手術をみることができたこと、さらには医師になりたての頃に世界のトップの研究施設の一つであるコールドスプリングハーバー研究所のサマーコースに参加したことがあります。後者は僕がアメリカを中心に活動することになる動機にもなりました。したがって、僕が大学院生の方にアレンジした最初のことは、彼らに1週間程度でも「世界のフロントライン、トップの医師、研究者と一緒に過ごす、小さな会合」に出てもらうことでした。

 

この考えのもと、1名の方には今年5月にスイスで行われたレイクカンファレンスに出てもらいました。この会は120名程度の小さい会合ながら、Nature、Cell、Neuron、Nature Neuroscience といった世界一流雑誌の編集者も全日滞在し参加者と交流を深めており、彼女には「世界のフロントライン、トップ。あるべきスタンダード」などを十分に体験してもらったと思っています。詳しくはリンクをご覧ください。もうお一方にはコールドスプリングハーバー研究所で行われた精神疾患のサマーコースに参加してもらいました。私が医師になりたての時は、まだ精神疾患の研究は成熟しておらず、コース名も神経精神疾患と銘打たれていましたが、今や精神疾患のコースとして独立して存在しています。彼にも世界のフロントライン、トップ。あるべきスタンダード」を十分に実感してもらったと信じます。

 

これが、私の大学院生の方々の教育において、まず第一に考えていることです。これらのカンファレンス、サマーコースについてはこの夏の間に、それぞれ数回ずつをとって詳細にご紹介していくつもりです。ぜひ彼らのさらなる活躍を期待しましょう!

 

 

PS 今日の写真、そして前回のメッセージでの写真は、家族旅行で日本に出かけ、佐渡島に行った時に撮った写真です。海の青緑が透明でびっくりしました。とても美しかったので、あと何回か佐渡島旅行中の写真を使ってみたいと思います。その日は朝は快晴でしたが午後から大しけになったダイナミックな日でした。

 

 

ラスカー賞

 

コールドスプリングハーバー研究所

 

レイクカンファレンス

 

コールドスプリングハーバー研究所で行われた精神疾患のサマーコース


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