そろそろ私の専門領域についてのメッセージを始めようと思っておりましたが、日本はオリンピック、パラリンピックを前にして、いろいろ騒がしいようですね。これまではあまり報道がなかったのですが、最近急に報道が増えました。ただ、米国内の報道を見る限り、日本のオリンピック委員会は混乱しており、日本国民はこれらのスポーツの祭典の開催について、否定的な意見も多いと聞こえます。したがって、もう1つ社会に関するメッセージを続けることにします。
世界では、何の委員会を作るうえでも「ダイバーシティ(多様性)」は大事とされていますが、日本のオリンピック委員会はこのような考え方においては時代錯誤であったと、何度も否定的に報道されてきました。今は2つの点で、否定的な報道が国際的になされています。
1つめは、COVID-19の感染爆発が今やおきようとしている現在であるにも関わらず、オリンピックの関係者には入国時の隔離も適切に行われず、その不透明性、不公平性について、日本の国民の方々が非常に不信感を募らせているということです。
2つめは、オリンピック、パラリンピックで音楽を担当する人が、非倫理的ないじめにかかわっており、その表層的な謝罪は不適切であるのみならず、そもそもこの方の音楽自体を一切使用してはならないと、多くの日本の国民の方々が感じているということです(一例を、以下に引用しています)。
これらの事実認定は非常に丁寧、公正に行われるべきですし、事実認定後のその事実に対する評価は多くの人々の意見が公平に反映されてなされるべきですよね。少なくとも、公平性、透明性を高めた形で運営されない限りは、日本国民が歓迎しないオリンピック、パラリンピックになるだろう、というのが国際的認知だと思われます。オリンピックは正義が大事であり、正義のもとでの平和です。場合によっては最終段階での予定変更もふくめて、正義を守っていくことが大事でしょう。こうした祭典は、日本で行われる限りにおいて、日本国民にとって喜ばれるものであり、選手にとって有意義なものであれば良いわけで、歯の浮くようなスローガンのためのものではありません。
医療人として、なぜこれを述べるか?
それは、本件が、医科学、医療、公衆衛生の基本である正当性、病態の理解、予防、差別のない社会といった観点と全く同じ軸にあるものだからです。
追記:
このメッセージを書いた後、国民の支持を得なかった音楽家が辞任したと聞きました。オリンピック委員会は辞任させない方向を持っていたことを考えると、委員会の本来の判断が間違っていたとして、報道されています。委員会には大いに挽回してもらいたいと願っています。その意味では、オリンピックの関係者に対する入国後の隔離、行動制限について、正しく毅然とした判断をすることが大事になってくるでしょう。これは医療、公衆衛生の観点からも極めて重要です。
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